LIVE REPORT

今野英明 ウクレレライブ

いよいよこの日がやってきました。
吉祥寺が大好きな吉祥寺の人たちが集まって、企画されたイベント第一回。初めての試みとして、吉祥寺の街とともにある銭湯「弁天湯」にて行われたのは、アコースティックライブ企画「風呂ロック」。
かこーん、という音が響いて、湯気の向こうに笑顔がある。銭湯っていいですよね。
そんな地元のみんなのほっこりする場所、「銭湯」が、この日だけはライブスペースに変身します。
銭湯が定休日のこの日の夜、集まってきた人はさまざま。商店会の人たちや、音楽好きな女の子たち、弁天湯に通っている男の子、などなど。
靴箱に靴を入れて、中に入ると正面には浮世絵さながらのでっかいアート作品が!(風呂ロックのために、つくっていただきました)
なぜか、観光地にあるアレみたいに顔の部分がくり抜かれています。ひとまず、顔を入れて写真、撮ってみたり。
さてさて、脱衣所を抜けて、浴室がライブ会場となっています。
11月も近いので、湯のない浴室はちょっと寒いのかなーと心配されましたが、タイル下にはボイラーが通っているらしく、いい具合に暖まっています。
当日集まった約100人の観客の皆さんの気持ちも、いい具合に暖まってきたところで、いよいよライブが始まりました。
ステージは、「湯船」!
オープニングアクトは、吉祥寺の魅力にとりつかれて「吉祥寺に住み着いてしまった」というヤギリンゴさん。浴衣姿にウクレレを持って、登場です。笑顔がすてきなヤギリンゴさんの、のびやかな歌声が響きます。
当日は、お風呂独特の音響効果を生かして、マイクなし。
それによって、独特の雰囲気がつくられていきます。
続いて、今野英明さんが登場!!
「打ち合わせたわけではないのですが・・・」と言いながら、今野さん も浴衣でご登場です。
酒蔵でライブをされたこともあるそうですが、「銭湯でライブなんて、 初めて!」という今野さん。ライブ会場のイメージに合わせて和装でい らしたそうです。
まずは、坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」。
ウクレレの音色と今野さんの歌声に、うっとり。
圧倒的に歌の世界に引き込まれていきます。
歌謡曲からハワイアン、ナット・キングコールの名曲など、いくつかのカバー曲から、今野さんがソロ活動を始められてから出されたアルバムの楽曲まで、2部構成でたっぷりと聞かせてもらいました。
生歌にウクレレ。
独特の響きが生まれる空間の向こうには、でっかいペンキ絵があって、皆、思い思いにこの日のライブを楽しんでいたようでした。
ライブの最後には、「銭湯と言えば、この曲しかない!」と、ドリフターズの名曲を皆でコール&レスポンス。
ここでしか味わえない、なんとも昭和な雰囲気を味わえたライブになりました。

終演後、「吉祥寺は、特に昭和のかおりが残っている場所が好きです。弁天湯もそうだけど、いせややハモニカ横町なんか、いいね」と話していた今野さん。
吉祥寺のそんな雰囲気を感じられる歌が、この日だけのライブ空間をつくりあげていました。
参加者の皆さんも、ほっこりとした気分で、コーヒー牛乳片手に会場を後にされ、今宵は終演。

ご協力いただいた弁天湯のおかあさんを筆頭にご家族の皆様のご協力もあって実現した「風呂ロック」。
これからも、ライブだけにとどまらず、吉祥寺を感じられるイベントを続けていきます。
ライブレポート/妹尾(フリーライター)