9月3日(木)、弁天湯でペンキ絵の描き替えがありました。
うつみようこさんのライブで背景にあったのは、できたてほやほやの富士山だったのです。心なしか富士山も唄に酔って生き生きとしているように見えたりして。
このペンキ絵、銭湯ペンキ絵師見習いの私も師匠の中島盛夫に付いて制作させていただきました。今回、少しだけ制作時のことをご紹介。
弁天湯、天井がとにかく、高い。
見えるのはこんな風景です。
絵師は3段のはしごを常備しているのですが、実際に3段目まで伸ばして使うことは年に数回。ここではもちろん、3段全開にして一番上の段まで登るしかありませんでした。
なんかもう、地上が恋しい、みたいな、、、。
そんなこんなで、22時くらい迄かかっての制作でした。
前にここにペンキ絵を描いていらしたのは、ペンキ絵師の早川利光さん。今年の4月に亡くなり、ペンキ絵師の見習いをしている私自身は遺された絵を観ながら入る弁天湯さんでの時間も好きでした。
今回の描き換えは、早川さんへの追悼の意をこめての作業でもあります。
描き替えの数日前、入浴後に脱衣所で弁天湯のおばあちゃんにお話を聞いていたら、早川さんは子供に向けて、女湯に車や船を描いていた、とのこと。
確かに、前の絵には女湯にバスがありました。
眼を細めて話すおばあちゃんが懐かしそうに語ります。
「でももう今は、子供も少なくなったけどね。」
ちなみに弁天湯には長年富士山が描かれていたとか。
師匠は早川さんの描いた富士山より、山頂を少し高く描きました、、、。
男湯からも女湯からも、子供も、むかし子供だった人も、みんな一緒に大きな大きな富士山を眺めて、楽しい入浴の時間が生まれていきますように。
そして、トクマルさんのライブでも、弁天湯で富士山と会場のみなさまが一緒になって興奮できる場になりますように!!!
完成した絵、どうぞ弁天湯でご確認ください。
そして、富士山だけでなく、私の描いた空と雲と男湯中央小さな松も、眺めていただけましたら幸いです☆
銭湯ペンキ絵師見習 田中みずき